Tuesday, December 15, 2020

【脳内妄想劇場】クンマー3本のフルートのための三重奏ト長調作品24 「人生の春」の巻 K.Kummer Trio for 3Flutes G-m...


この作品を録音していて三つの不思議に出会いました。
 まず一つ目はこの第1楽章はその他形式で書かれているのですが、本来ならば最も重要とされる第1主題が 一小節と半分しかなかったことです。その後続くのはずっと第2主題・・・ 最初なぜこんなことになっているのかわからなかったのです。
 二つ目はオクターブでユニゾン(同じメロディーを演奏)することが多いのです。40層50層と音数の多い編成ならわかるのですが、使える音が同時に三つしか鳴らないフルート三重奏の場合 、2本のフルートが同じ音を演奏してしまうと、和音が薄くなってしまうのです。
 それともう一つはフェルマータ(曲の流れを止めてしまう箇所です)の多用。
この三つに何か謎が隠されているのだろうといろいろ思いを馳せながら転送していくと、曲全体が春めいていることと、この三つの謎がうまく融合しました。 
一つ目の謎、なぜ第一主題があんなにも短いのか、それは彼の視点でこの物語が流れていくからだったのです。しかし最初の主題は形を変え三連符という形で曲の下を支えます。あるで常に彼女を見守ってるように。
二つ目の謎、頻繁に出てくるフェルマータ。  これは彼の彼女への眼差しなのです。そしてため息。 楽章を追うごとにどんどんその意味合いが違っていくのが面白いです。
三つ目の謎、ユニゾンの多用。 こういう妄想を膨らませてこのユニゾンを聞くと、まるで二人が歌ってるように聞こえてきます。 

それでは私の脳内で芽生えたこの妄想を皆さんお楽しみください。

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